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259話

曲烟袋は木箱を秦越に渡したのだから、道理から言えばもう十分な親切を尽くしたはずで、疑わしいことなど何もないはずだった。

しかし、いざ別れの時が近づくと、曲烟袋はなぜか名残惜しそうな表情を浮かべ、少し心配だとまで言う。これは一体どういう意味なのだろうか?

秦越は顔を上げた。「曲前輩、俺たちの道中が危険だと心配されているんですか?」

曲烟袋は首を振った。

「それとも、この良薬が途中で奪われることを恐れているんですか?」

曲烟袋はまた首を振るだけだった。

秦越は少し考えてから言った。「曲前輩、よければ一緒に来ませんか?」

曲烟袋は笑って言った。「若いの、このお爺さんは一つ、お前に残って...