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256話

秦越はその煙管を持った老人を見て、見た目は平凡だが、深い功力を持っていることを感じ取った。

これは善意の来訪ではないな。

秦越は心の中で思った。旅先では悪心を抱くべきではないが、警戒は必要だ。突然の身体的攻撃を防ぐために。

世の中には修行者が数多くいて、すべての者の素性を知ることは不可能だ。この突然現れた老人にしても、彼が百年老舗の店のために出てきたのか、それともどこかの門派に指示されて難癖をつけに来たのか、誰にわかるだろうか。

秦越はこの突然現れた老人を恐れてはいなかった。彼自身はすでに錦段位の中階以上の高手であり、さらに段涯も鍛え抜かれた実力者だ。二人でこの老人に対応すれば、十分す...