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251話

この百年老舗の店員の言葉に、秦越は心温まるものを感じた。

相手は彼に対して裏表なく、率直に話してくれている。こういう正直さは、やはり人の心を安らげるものだ。

秦越が上質な冬虫夏草と十年物の山人参を求めると、店員は冬虫夏草は原産地から直接仕入れていることを伝え、さらに人参の年数が足りないことをはっきりと告げた。この誠実さだけでも、秦越はこの百年老舗が信頼に値すると感じた。

薬材というものは品質に厳しい基準があるべきだが、詳しい人間にとっては融通の利く余地も大きい。

例えば秦越が十年物の人参を求めても、実際には七、八年物でも効能にそれほど大差はない。必要なのは純正さだけだ。

だから秦越は...