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249話

秦越は掌柜の動作が止まったのを見て、心の中でよく理解していた。

相手は彼が警戒していることを既に知っているからこそ、お茶を淹れるのをやめたのだ。これは秦越への暗黙のメッセージでもあった。心配するな、私の商品は間違いなく本物だ、見てもらって構わない、と。

これは売り手と買い手の双方にとって利益となることだった。お互いの誠意を示し、誠実に商売をする。これは薬材業界で「老貨を見る」という慣習にも合っていた。

もし老貨を見る前に熱心さが衰えず、さらには酒席に誘い、飲食が済んだ後に何かを適当に取り出すようなら、老貨を見る側は売り手の術中にはまったことになる。

瓜皮帽の掌柜はもはやお茶を淹れず、老...