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245話

秦越は広告部の外に設置された二階建ての小さな建物を見て、満足感を覚えた。

これこそ彼が想像していた中医院設立の理想的な場所だった。

程雪瑶から発行された集団行政命令書はすでに手元にあり、その条文は表向き袁虎の昇進に関するものだった。袁虎がこの命令書を見れば、きっと喜んで場所を明け渡してくれるだろう。

秦越が建物に向かって歩き出すと、段涯も大股で後に続いた。

以前ここへ来たことがなかった秦越を見て、広告部の警備員がすぐに飛び出してきて、彼の前に立ちはだかった。

「お二人とも、何かご用件でしょうか?」

警備員の目には警戒心が満ちており、秦越とその後ろの段涯を上から下まで観察していた。こ...