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24話

秦升が戻ってみると、強子はまだぐっすり眠っていた。尻を一発叩いたが、強子はまったく反応せず、相変わらず気持ち良さそうに眠り続けていた。

秦升は必殺技を繰り出し、強子の耳元で大声で叫んだ。「大変だ!火事だ!早く逃げろ!」

強子は目もまだ開かないうちに、慌てふためいてベッドから飛び起き、走り出そうとしたところを秦升にぐっと押さえつけられた。

秦升は強子の様子を見て、思わず笑いだした。「強子、お前まだ目も開いてないのに、どこへ逃げるつもりだったんだ?」

強子は目をこすりながら、ようやくゆっくりと目を開けた。「升兄貴、また俺をだましたな。どこにも火事なんかないじゃないか」と口の端の涎を拭きなが...