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188話

「監視カメラの映像を確認しようという秦越の提案に、呉秘書は眉をひそめた。

「そこまで面倒なことはしなくていいわ。相手はあなたに正体を知られたくないから、当然カメラの死角を利用しているはずよ」

秦越は彼女の落ち着きぶりに驚いた。こんなに美しい女性なのに、何かあっても自分よりも冷静でいられるなんて。

「でも、届けた人が空から飛んできたわけじゃないでしょう。監視カメラの範囲から逃れるなんて不可能じゃないですか?」

その質問に、呉秘書は軽蔑するような目を向けた。「あなたって本当に鈍いわね。ここに来られる人は部外者じゃないはず。社内の人間なら、たとえ直接聞いたところで認めるわけないじゃない。何か...