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160話

屋台の店主は「犬兄さん」が来るのを待っていると言い続けていた。秦越は心の中で考えた。名前を聞いただけで、ろくな人間ではないことは明らかだ。

どんなに力を振り絞ったところで、大した人物になれるわけがない。

「犬だの兄貴だの、どうでもいいだろ。俺は自分の金で食事をしているんだ、他人に何の関係がある?金が欲しいんだろ?炉を用意しろ、もう一度焼くぞ」

店主は本当に参ってしまった。ヤクザを怒らせたくせに、まだこんなに堂々と道理を説いている。誰が大物に道理を説く奴を見たことがあるというのか?

いいだろう——イキってるんだな?思い知らせてやる。

「おい、冷凍ボックスを持ってこい。それから炉も新しく...