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132話

健康ジムに入り、すべての照明を点けると、部屋が一瞬で明るくなった。

これは秦越が初めて訪れる場所だった。

ジムは百平方メートル以上もあり、あらゆる種類のトレーニング機器が壁に沿って順番に配置されていた。最も驚いたのは、部屋の中央に本格的なボクシングリングが設置されていたことだ。

青いマットの上には数年前のボクシング王者決定戦のロゴが印刷され、四隅には支柱が立ち、腕ほどの太さのロープが三段になってリングを一周していた。この光景を見ているだけで、なぜか興奮が湧いてきた。

秦越は西洋拳法を知らなかったが、このリングを見ると、王座を争う選手たちが必死に戦う姿が目に浮かんだ。

リングでは選手た...