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108話

浴室からシャーシャーと水が噴き出す音が聞こえ、程雪瑶は顔を赤らめながら、一人でリビングに立って気まずそうにしていた。

秦越は中に入ると、急いで体を清潔にしようと、シャワーヘッドをひねり、水流に身を任せた。

すぐに、彼の背中から湯気が立ち上った。

立ち上る湯気の中で、秦越はふと甘い香りを嗅ぎ取った。

その香りを嗅ぎながら、浴室が春のように温かく感じられた。これは程雪瑶が先ほど浴室を使った名残りだろう。

シャワーヘッドから無数の水流が秦越の顔に降り注いでいるが、その香りは彼の思考を乱し続けていた。

さすが程家のお嬢様、育ちの良さが違う。入浴後の空間にこんな香りを残すなんて、処女の身であ...