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835話

リビングには玄関があって、そこがリビングの様子を簡単に遮っていたため、林志山は身を乗り出して覗き込む必要があった。

彼がバスタオル一枚を纏っただけの私の妻が、大人の色気を漂わせながら出前の配達員に対応する姿に興味津々で見入っていた時、すぐに林志山の表情は落胆に変わった。

映像の中では、カメラを切り替えなくても、端の方から妻のいる場所も見ることができた。

妻はドアを開ける時、顔を横に向けただけで、片手で必死に体に巻きつけたバスタオルを引き締め、ドアはわずか三分の一ほどしか開けず、かろうじて開いた隙間から出前の入ったビニール袋を受け取っていた。

その後、妻は「ありがとう」と言うとすぐにドアを閉めて...