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583話

私が動きを止めたとき、壁に両腕をついて体を支えていた趙敏は、必死に尻を持ち上げて私に応えようとしながら、うつむいたまま微かに震える声で言った。「止めないで、お願い、早く愛して」

実は今しがたの二分間、私は趙敏の締め付けるような熱い体に刺激されながらも、心ここにあらずで妄想に耽っていた。手の届く範囲にいる女たちのことを次々と思い浮かべ、その間、目の前にいる趙敏のことはほとんど意識せず、ただ考え事をしながらゆっくりと腰を動かしていたのだ。

最初の数回、趙敏は歯を食いしばったまま、引き裂かれるような痛みと膨張感に耐えていた。しかし、やがて不快な感覚は徐々に消え去り、言葉にできないような興奮が私の...