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88話

「馬山?彼はどうしたんだ?」

「馬山は今、俺たちが王林の相手にならないと思ってるんだ。だから今この時期に王林に寝返るのが一番いいと考えてる。それに馬山は王林の素性を知ってるんだ!」虎子は続けて言った。

あの日、錦江大ホテルでの時、俺は見抜いていた。馬山は気性が荒くても、王林に対して怒りを向けることなど到底できないことを。

どうやら馬山はかなり前から、王林のやり方を見知っていたようだ。

ここ数日、王林のやり方は馬山をも恐れさせていた。

「それは俺に任せろ。馬山に電話を繋いでくれ!」

俺がそう言うと、虎子は電話を渡してくれた。

電話が繋がると、向こうから馬山の荒々しい声が聞こえてきた。「も...