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68話

虎子はいきなり警備員を押しのけた。その時、入り口から騒がしい声が聞こえてきた。私の心が躍った。山狼たちが到着したのだ。

「強兄貴!」

数人が駆け込んできて、周りの警備員たちを睨みつけた。その威圧感に警備員たちは完全に萎縮していた。

「はっはっは!林さん、うちの弟分たちが焦っていてね。今夜はまだ用事があるから、また今度ゆっくり約束しようよ!」

そう言いながら、虎子は私を連れてそのまま錦江ホテルを後にした。

外に出ると、二十数名の黒服の男たちが待ち構えていた。明らかに林海は私を見逃すつもりはなかった。

「強兄貴、あとは俺たちに任せてください!」

虎子は冷たく言い放ち、私を背後に庇った...