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54話

「えっ?」

虎子がこの三人の名前を紹介するのを聞いて、僕も驚いたけど、後になって気づいたんだ。彼らの以前のコードネームだったんだ。

名前に関しては、コードネームの方が呼びやすいということもある。

「強兄貴、俺たち虎子から聞いたぜ、あんたが助けてくれたって!」

「虎子は俺たちの生死を共にする兄弟だ。虎子があんたを兄貴と認めるなら、俺たちの兄貴でもある!」

最初に話したのは豹子に違いない。虎のような背中に熊のような体格で、一人で四、五人と戦っても全く問題なさそうだ。

ただ、気づいたのは、いわゆる老狐狸の方だ。鋭い眼光で、ずっと僕を見つめていた。

僕は慌てて視線を外し、異常なほど平静を装いなが...