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51話

「急いで言い訳するよ、もうあっちの様子が聞こえてる。葉芷は曾柔のそばにいるんだろう」

「あら、数日会わないうちに随分口が上手くなったじゃない。確かに言う通り、この薔薇会所は葉子のものよ。でも、ここに居続けたいなら、あるいは人に認められたいなら、それは自分の力で勝ち取るしかないわ」

「そうそう、教えておくことがあるの。葉子はこの数日出張よ。何かあっても、自分で何とかするしかないわよ!」

電話を切ると、私は途方に暮れてその場に座り込んだ。頭の中には曾柔の言葉が響いていた。

自分の力で!

人はどんな時でも、自分の力を頼りにするしかない!

実力がなければ、他人に踏みにじられるだけだ!

翌日帰...