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170話

「でも今は大丈夫だ。見つかってしまったものは仕方ないが、それ以外には手を出すつもりはない」

チャリティーパーティーはもう終わりに近づいていた。俺は虎子に早くここから連れ出してもらおうと思っていた。

部屋のドアを出たとたん、大きな音とともに一人の女が飛び込んできて、彼女の持っていたジュースとワインが俺の上に全部かかってしまった。

眉をひそめる。どうやら今日、ここを離れるのは難しそうだ。

虎子は明らかにこの女が故意にやったことを見抜いたようで、すぐに外の仲間たちに連絡を取った。

俺は眉間にしわを寄せながら目の前の女を見た。ただの普通のウェイトレスのようだが…

「何してるんだ?目が見えない...