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152話

「ついさっき、虎子の部下が兄貴の奥さんを見たんだ。ロイヤルクラブでだ。孫桐のやつに抱きかかえられて、中に入っていくところをな」

「マジか!」俺は眉をきつく寄せた。

「強兄貴、奥さんは確かにロイヤルクラブにいました。ついさっき孫桐の車に乗って、どこかへ行ったところです」

虎子の手の者は見失ってしまったらしい。ロイヤルクラブを出た後、孫桐の車はスピードを上げ、闇の中に消えていったという。

「なぜだ...奥さんはいったいなぜ...」俺は壁を強く殴りつけ、顔つきは険しくなるばかりだった。杨花が側で慰めようとしてくれるが、胸の内は苦しさでいっぱいだった。奥さんがなぜあんな野郎についていったのか。...