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129話

「強兄貴、これは俺たち部隊内で知ってることなんだが、機密ってわけじゃないにしても、外に漏らさないでほしい」

私は頷いた。老狐は全てを話してくれた。

どうやら書類の一つに、彼らがよく知っている名前があったらしい。その名前は実際にはコードネームで、「サソリ」だった。

サソリ——このコードネームを彼らが聞いたのはたった一度、任務遂行中だった。その時、彼らは麻薬密売組織の壊滅を命じられたが、激しい抵抗に遭った。結局、彼らはその麻薬組織を全滅させたものの、仲間を一人失っていた。

その名簿の中に、彼らはサソリというコードネームを見つけたのだ。偶然の一致かもしれないが、老狐たちは非常に怒っていた。

このサソ...