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104話

「それどころか、大学時代の同級生たちとも連絡を絶ってしまったんだ!」

「大学時代には彼女もいたんだが、あの事件の後、彼女は私との関係をきっぱり否定してしまった」

「絶望の末、俺は村に戻って自暴自棄になった。でも義姉は俺を見捨てなかった。ずっと面倒を見てくれて、義姉がいなければ、俺はとっくに諦めていたかもしれない」

「強兄貴、ここにもあんたを無視してる連中がかなりいますぜ」階段の入り口に来ると、虎子が小声で教えてくれた。

俺にも見えている。自分が偉いと思い込んでいる連中や、薔薇会所の客が減ることを望んでいる連中もいる。

だが俺が気になるのはそれじゃない。一階と二階で提供されている酒に深...