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42話

「チップを体内に埋め込まれて以来、玄明は彼に対していかなる優遇も与えなかった。一つのスイートルームで、彼は玄明がずっと側に置いていたもう一人の奴隷と共に暮らしていた。

蒼は谷涵が月光島に来る前から既に玄明の側にいた。谷涵が来た頃、蒼と一緒に訓練を受けていた男の子がほかに二人いたが、この二年の間にその二人は次々と売られていった。しかし、なぜか調教課程を既に終えていたはずの蒼だけはここに残されたままだった。

蒼は彼より二つ年上で、さっぱりとした栗色の短髪に、やや冷たい瞳を持ち、あまり口数が多くなかった。一見すると特に変わった所のない顔立ちだが、組み合わさるとどこか言葉では言い表せないほど美しか...