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959話

「上手く書けているね、覚えるのも早いじゃないか」

葉天明の褒め言葉に、楊桃は嬉しそうな笑みを浮かべ、また地面にしゃがんで書き始めた。

およそ半時間ほど書いていると、すっかり日が高くなり、眩しい陽光が竹の小屋の中まで差し込んできた。

楊桃は時計を持っていないため、時間を正確に知ることができず、太陽の角度だけを頼りに日々を過ごしていた。

彼女は突然顔を上げ、「わ、わたし...薬草を採りに行かないと」と言った。

「一緒に行くよ」葉天明はすぐに言った。

彼が困龍村に来てからまだ日が浅く、周囲の環境にはあまり詳しくなかった。彼はこの地域に特産の不思議な植物、起陽草があることを知っていた。

起陽草、その名...