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875話

「まあ、もう少しの我慢だ。あと一日か二日だけだ」葉天明は大あくびをして、ゴザの上に横になり、ぐっすりと眠りについた。

困龍村は電気が通っておらず、村には扇風機さえない。幸い山の中は空気が涼しいが、そうでなければ今年の夏は格別に耐え難いものになっていただろう。

「ドンドン!」

「葉先生、葉先生……」

葉天明が気持ちよく眠っていると、急な戸叩きの音で目を覚ました。

彼の胸の内にはすでに抑えきれない火がくすぶっていたが、戸口の声を聞いた途端、心が躍った。これは玉芬姉さんじゃないか?

こんな遅くに自分を訪ねてくるなんて何のためだろう?

葉天明の胸は熱くなり、服も着ずに、下半身は一枚のボクサーパンツだけ...