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87話

「芳ちゃんか、ほら、早く上がりなよ」許晴の胸元をちらりと見ただけで、張洪剛の心の中には一陣の熱が広がった。慌てて何度か唾を飲み込みながら、彼女を中へ招き入れた。

馮老六と比べれば、この張洪剛もろくな人間ではない。ただ、馮老六よりも狡猾で腹黒いため、普通の人には表面からはわからないだけだ。実際のところ、彼の内心の悪さは馮老六以上であって、決して劣ることはない。

女を手に入れることに関しては、張洪剛は馮老六よりさらに邪悪だ。そうでなければ、彼が荷花に手を出すこともなかっただろう。

許晴が自ら訪ねてきて、しかも手に酒まで提げているのを見て、彼は彼女が何か頼みごとで来たのだとすぐに察した。そして...