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865話

温泉?

葉天明は困龍村に温泉があるなんて知らなかった。

老村長は煙管を取り出し、「ぱくぱく」と二口吸って、目を細めながら笑った。「これはうちの村だけの宝なんだよ。困龍池っていってな、天然温泉さ。村の共同浴場でもあるんだ。村の者たちは農作業を終えると、みんなここで一風呂浴びるんだよ」

葉天明はすぐに興味を示した。

温泉とは素晴らしいものだ。大都市では一回入るのに数百元もするし、しかもそれは何度も使い回された人工的な湯で、天然温泉とは似ても似つかない。

「さあ、案内するよ」老村長は葉天明の手を引いて困龍池へと向かった。

困龍池は裏山にあった。葉天明は足の不自由な老村長について曲がりくねった...