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864話

階段は苔に覆われ、校庭には雑草が生い茂り、明らかに長い間放置されていた。

葉天明は早くから学校の門の前に来ていた。村長の老人が足を引きずりながら、八、九歳ほどの子供の手を引いてやってきた。

「葉先生、これはわしの孫じゃ。親父は三年前に街へ出稼ぎに行ったきり、二度と戻ってこなんだ」老村長は子供の頭を撫でながら、暗い眼差しで言った。

葉天明は頷いた。「これからはこの子のことは私に任せてください」

老村長は「うん」と一言だけ返し、奇妙な目つきで葉天明の姿を一瞥してから、踵を返して歩き去った。

次第に多くの親が子供を連れて学校にやってきた。

葉天明は気づいた。村にはほとんど男性がおらず、基本的に母親た...