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851話

しかし、黄守涛は許晴の涙など気にも留めなかった。彼の頭の中は今、欲望で一杯だった。すぐに手を伸ばし、許晴の胸に掴みかかろうとする。

さっきから許晴の髪に魅了されていたが、今度は彼女の胸——あんなにも豊かで丸みを帯びたそれを見て、黄守涛の心は更に落ち着かなくなり、味わいたいという衝動に駆られていた。

こんな美しい女を前にして、今日という機会を逃すわけにはいかない。

黄守涛が心の中でそんな下心を巡らせていた時、突然ドアが開いた。

徐娇娇が入ってきたのだ!

この予期せぬ出来事に、黄守涛はぎょっとした。

そして床で必死に抵抗していた許晴は、誰かが入ってきたのを見て、心が激しく高鳴った。まる...