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501話

「おかしいなぁ、前に息子が買ってきたのもこういうタバコだったはずなのに、なんでこんな味がしなかったんだ?」

趙二黒(ちょうにへい)は不満げに煙草を眺めながら、口の中でぶつぶつと呟いた。

中年男性は微笑んで答えた。「それはね、息子さんが買ってきたのは粗悪品だったからですよ。数十銭の安物と、これみたいな数十元もする高級品とじゃ、比べものになりませんから」

「粗悪品だって?」趙二黒はたちまち顔を曇らせ、「このチビ野郎め、よくも粗悪品のタバコでごまかそうとしやがったな。会ったら叩きのめしてやる!」と罵った。

趙二黒が子供のように癇癪を起こす様子を見て、中年男性は思わず笑みを浮かべた。「おじさん、...