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350話

「お前、俺たちの村に行ったことがあるのか?」陳小虎は老人を信じられないような目で見つめた。こんなに偶然なことがあるなんて、驚くのも当然だった。

「あれは知識青年だった頃のことだ。農村に下放されて、最初に行ったのがちょうど大河村だったんだよ」老人は微笑んで続けた。「もう四十年も経つ。お前は知るはずもないし、今や村で私のことを覚えている者は、一人もいないだろうな」最後に老人はため息をついた。まるで心の奥底に深い物語を隠しているかのようだった。

陳小虎はこれ以上詮索するのは控えた。所詮は相手の過去の話だ。だが、彼には疑問が残った。四十年前に大河村を訪れたのなら、なぜ村の誰も彼を知らないと言うのだ...