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276話

実は、この瞬間、許晴の心も陳小虎に負けないほど苦しかった。彼女はずっと男性の温もりに触れていなかったのだ。心の寂しさは陳小虎以上に強く、だからこそあの雨の夜、彼女は苦瓜で自らを慰めたのだった。

そして今日彼女がこうしたのは、ただ陳小虎を心配してのことだった。

彼女は心の中でよく分かっていた。男というものは一度その一線を越え、女の味を知ってしまえば、どんどん深みにはまり、抜け出せなくなる。彼女は陳小虎が自分から女の味を覚えてしまったら、毎日それに溺れてしまうのではないかと恐れていた。

以前なら、こんな心配はしなかっただろう。陳小虎が望むなら、ただ与えるだけでよかった。それに、彼女自身にもそ...