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1880話

しばらくして、その人物は二人がもう意識を失っていると思い、そっと部屋に忍び込んできた。葉天明はそれに気づいたふりをせず、昏睡の姿勢を保ったまま。彼はこの人物が何をするつもりなのか見てみたかった。

その人物は足音を忍ばせながら葉天明の体をまさぐり、財布を見つけると、今度は隣で眠っている肖薔薇の方へ手を伸ばそうとした。

肖薔薇に手が届きそうになった瞬間、手首に鋭い痛みを感じ、横を見ると、さっきまで横たわっていた男がいつの間にか目を開け、自分をじっと見つめていた。

慌てて逃げようとした泥棒だが、再び手首に走った激痛でその考えを捨てた。

「お前は何者だ?何をするつもりだった?」葉天明は厳しい声...