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1879話

敵が簡単に諦めないと見込んだ葉天明は、蕭薔薇を抱えたまま川の流れに沿って下らず、逆に少し離れた茂みの生い茂る大木に身を隠した。

案の定、間もなく二つの黒い影が先ほど葉天明がぶら下がっていた松の木の下にやって来た。

二人は警戒しながら四方を見回し、頭上の松の木を見上げ、頭を寄せ合って小声で何か話すと、共に下流へと追跡していった。

葉天明は二人の姿が見えなくなるのを確認してから、「ふぅ」と長く息を吐いた。

辺りが徐々に暗くなってきたのを見て、葉天明は今日の息詰まる出来事を思い返していると、不意に腹が「グゥグゥ」と鳴いた。そこで初めて二人が朝から晩まで何も食べていないことに気づいた。

まだ...