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1878話

「ほら、あそこ見て!わぁ、素敵!」肖薔薇が美しい景色を指さしながら、スマホを取り出しては目の前の絶景を撮影していく。その整った顔には興奮の表情が満ち溢れ、いつもより一層魅力的に輝いていた。

葉天明は彼女の魅力的な美しさに見とれ、少し呆然としたまま思わず口にした。「確かに綺麗だけど、それに比べたら、君の方がもっと美しいよ」

「お世辞ばっかり、もう知らないんだから」肖薔薇はまだ呆然としている葉天明を横目で一瞥し、少し嫌そうな口調で言った。だが、頬に浮かんだ薄紅色の染みからは、彼の言葉が彼女の耳に心地よく響いていることが窺えた。

二人は言葉を交わしては笑い合い、車窓の外では冷たい風が吹きすさぶ...