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1678話

肖蔷薇は蚊の羽音のような小さな声で「うん」と応え、葉天明が確かに背を向けたのを確認してから、ようやく湯から上がった。彼女はタオルで肌の水滴を拭き取り、濡れた長い髪が肩に垂れ落ちる姿は、言葉にできないほどの純粋な色気を漂わせていた。

葉天明は背後でこそこそと衣擦れの音を聞きながら、胸の内で再び妙な熱が湧き上がるのを感じた。彼は深呼吸をして邪念を押し殺そうとしていると、肖蔷薇はすでに服を着終えていた。

「葉先生、行きましょうか?」

肖蔷薇が促した。

葉天明は目の前の肖蔷薇をじっと見つめていた。彼女の髪はまだ完全に乾いておらず、濡れたままだった。頬は温泉に浸かったせいか、とても赤く潤んでおり、...