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153話

晴娘さんは溜息をついて晴を見つめた。何か言いたげだったが、結局何も言わず、頭を振って玄関へ向かった。「はいはい、今行くわ」

玄関が開くと、陳小虎は礼儀正しく挨拶した。「おばさん、僕の義母さん、昨日の夜帰ってきましたか?」

「芳児が昨夜帰ってきたって?知らないわよ。今まで彼女の姿も見てないわ」

「帰ってきてないんですか?」陳小虎はすぐに胸騒ぎを覚え、ひどく焦り始めた。

大河村から山林荘までの二十里の道のりは山道が多く、とても歩きにくい。昼間でも半日はかかるのだ。もしかして、義母さんが昨夜帰る途中で何か事故にでも遭ったのか?

考えれば考えるほど、小虎は恐ろしくなった。もし義母さんに何かあ...