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1043話

葉天明は目が眩むほどの光景に圧倒され、しかも血気盛んな若い男として、こんな場所にいることに思わず居心地の悪さを感じていた。

「何かお探しですか?」

葉天明が品物に見入っていたその時、心地よい声が耳に届いた。

葉天明はハッとして、慌ててカウンターの中を見た。そこには一脚の椅子が置かれていることに初めて気づいた。

椅子には三十歳前後の、まだ色香を漂わせる美しい人妻が腰掛けていた。

整った卵型の顔立ちに、輝くような魅力的な瞳。茶色に染めた豊かなウェーブヘアが、彼女の愛らしい顔の半分を覆っていた。艶やかな唇には鮮やかな赤い口紅が塗られ、一層の妖艶さを添えている。

上半身には薄手のキャミソー...