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1024話

「義母さん、どうして動かないの?もう帰らないと夜が明けちゃうよ」蔡淑珍が紅梅おばさんの方へ歩き出した。

紅梅おばさんはすぐに胸がドキドキし始めた。もし蔡淑珍が近づいてきたら、今の自分がどんな状態か必ず気づかれてしまう。

彼女は懇願するような目で葉天明を見た。

葉天明はこのままではまずいと悟り、軽く咳払いをして言った。「義母さんはまだ温泉に浸かり足りてないみたいだよ。僕たちは少し離れて待っていよう」

蔡淑珍は「ああ」と一言答えて、温泉の縁に腰を下ろした。

紅梅おばさんはほっと安堵し、彼の腕を強くつねった。

葉天明は青紫になった腕を押さえ、思わず声を上げそうになった。もう紅梅おばさんを悪...