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1020話

約三十分ほど待つと、蔡淑珍と紅梅おばさんが歩いてきた。

「葉先生、準備はできましたか?」蔡淑珍が門口に立って声をかけた。

葉天明が戸口から出ると、目が紅梅おばさんに一瞥を送った。

紅梅おばさんの頬は薄く赤く染まり、成熟した少女の雰囲気を漂わせていた。葉天明はそれを見て不思議に思い、興奮を覚えた。

紅梅おばさんの瞳には恥じらいと喜び、そして一筋の興奮が宿っていた。

「行きましょうか?」

蔡淑珍は待ちきれない様子だった。

葉天明は「うん」と返事し、三人は困龍山へと向かった。

おそらく農繁期のせいか、困龍泉へ向かう人は明らかに少なくなっていた。山頂に着いても、「ぼこぼこ」と大きな水泡を立てる困龍泉の...