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1013話

「紅梅おばさん」と呼ばれる女性が艶やかに微笑み、その美しい杏仁形の瞳からは万感の情が溢れていた。

葉天明はやむなく諦めるしかなかった。

人だかりの中に立っていた李二栓は彼の手の中の金を見つめ、その目には貪欲な光が宿っていた。

興奮して舌なめずりをすると、不気味な笑みを浮かべた。

葉天明が部屋に戻ると、村人たちから集まったお金は全部で四万元あまりになっていた。

彼はもともと困龍村に学校を建てるのにそれほど多くの金は必要ないと思っていた。

しかし調査と計算をしてみると、山間部での建築材料は都会よりもさらに高く、様々な運送費を含めると少なくとも七、八万元はかかり、それに水道光熱費や学習用品は含まれて...