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1010話

「私は……私は行かないわ、あなた一人で山に残るなんて、心配で仕方がないもの」葉天明はベッドの縁に腰掛け、楊桃の額から耳に掛けて髪を優しく撫でた。

楊桃は甘く微笑み、葉天明の手の中で静かに横たわっていた。

彼女の愛らしく薄紅色を帯びた頬を優しく撫でながら、葉天明の胸は激しく高鳴った。

真っ暗な部屋で二人きり、空気は気まずくも微妙なものになっていた。

静寂の部屋には、二人の呼吸音だけが聞こえていた。

「天明、私と玉芬姉さんとどっちが好き?」楊桃は熱のこもった視線で葉天明をじっと見つめた。

葉天明の目が一瞬引き締まった。彼は選択を好まなかった。男なら当然、両方とも手に入れるべきだと。

彼は軽く咳払い...