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696話

「その後、冷盈が上層部から得た情報によると、現在龍組に所属する十七匹の『狐』のうち、地龍組第三小隊の禹月以外には深センに誰もいないことが確認された。

つまり、これは野妖(やばけもの)なのか?

第二の件はやや厄介だった。楚飛が上層部に連絡し、魏雪を自分の空龍組に異動させるよう要請したとき、上層部の幹部たちは一様に驚き、慌てて楚飛になぜそのような考えに至ったのか問い質した。というのも、魏雪は魏薔や魏薇とはまったく異なる存在だったからだ。魏薔と魏薇は半妖であり、龍組の庇護のもとで育ち、組織に対して切っても切れない感情を持ち、龍組を家族のように思っていた。

しかし魏雪は数千年の修行を積んだ『老妖』であ...