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625話

「ちっ!!」

楚飞の姿がひらりと動き、突然王軍の背後に現れた。手を一つ突き出すと、たちまち王軍は身動きできなくなり、当然言葉も発せなくなった。「もういいよもういいよ、君の甘い言葉には俺までもが感動しそうになったけどね。でも残念だが、林娟は俺の女だ。彼女を君に譲るなんてありえない。だからその望みは諦めたほうがいい……こいつを外に放り出せ!!」

「……」王軍は千に一つも諦める気がなく、その表情はまるで便秘でもしているかのように醜かったが、動けない彼は女性警備員数人に引きずり上げられ、倾城の敷地の外へと放り出されるのをただ見ているしかなかった。

しかしこの騒動で、楚飞は初めて正式に一階で顔を見せ...