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55話

年が明けるのも間近いせいか、香港からの客が途絶えて店の売り上げはかなり落ち込んでいた。夜の客も頭を洗いに来るか、マッサージを受けるだけの人がほとんどで、十一時過ぎに楚飛は客が来なくなったのを確認すると、思い切って閉店を決め、みんなを帰らせることにした。

だが帰宅してみると少し困った状況になっていた。店の女の子たちが多いため、二十人ほどが順番にお風呂を待っていたのだ。女性の入浴時間がどれほど長いかは誰もが知るところで、することもなかった楚飛はそのまま眠りについてしまった。うとうとしていると、ふわっと香る女性の体が彼の腕の中に滑り込み、挑発的な仕草を始めた。その時は深く考えず、いとこか林娟だろう...