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3083話

董琳が震える手で自分に「急速」のスキルを付与した瞬間、彼女の体には奇妙な、名状しがたいエネルギーが纏わりついたように感じた。それはほとんど感知できないほど微かなものだったが、確かに実在していた。

残念ながら、このスキルの持続時間はあまりにも短く、わずか一分ほどで跡形もなく消えてしまった。

「落ち込むことはないよ。君はまだスキルを覚えたばかりだから。これらのスキルは使い続けることで熟練度が上がっていくんだ。使えば使うほど上達して、自然と持続時間も大幅に伸びていくよ」

「それは素晴らしいです!」董琳は再び笑顔を見せた。たった一分間では大した効果は望めないが、時間が延びるなら話は別だった。

「...