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2166話

「別に……これは闇市の錬金術師から手に入れた薬だ。特にあなたのような護身の法器を持つ者に効く。だから今は何も使えない、何も動かせない。あと十分ほどで、心臓が衰弱して死ぬだろう……」ベルトランは小さく溜息をついた。「父上、やむを得ない選択だったのです。どうかお許しください。私の当然得るべき地位を他人に譲るなど、見過ごすわけにはいきませんでした!」

「こ……この外道が!」アーディン王は息子を見つめる目が、まるで見知らぬ人を見るかのように変わっていた。自分の息子が自分に対して毒手を下し、しかも命を奪おうとするなど、どう考えても想像できなかったからだ。昨日やっと永遠の命を手に入れたばかりなのに、大き...