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212話

「八割五だ!!八割だ!!!」

「これ以上は下げられないぞ、絶対に下げられない、七割だ!!」

朱の太った男は歯を食いしばり、そのまま膝をついた。「おじいさん、買い取ってくださいよ、お願いします!」

四、五十年も生きてきた人間として、朱の太った男がここまで頭を下げるのは容易なことではなかった。しかし結局のところ、彼は事を荒立てたくないのだ……どれだけ上手くやってきたとしても、所詮は普通の人間に過ぎない。一度暴力団と関わってしまえば、今後何に巻き込まれるか分かったものではない。朱の太った男はかなり決断力のある人間で、ほとんど断腕の覚悟を決めていた。彼の考えは単純だった。お金なら、いくらでもまた稼げ...