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1894話

「まったく、好みは人それぞれだからな、楚飛も仕方ないか」だが部屋に足を踏み入れた途端、彼の眉はきつく寄せられていた……空気中に漂う濃厚な妖族の気配が、この若者の不慮の死の元凶が人間ではないことを物語っていたのだ!!

リビングの空中に残る妖力の痕跡から、楚飛はひと目でこれが狐の仕業だと見抜いていた。

つまり、また狐妖か?

楚飛の思考は一瞬にして五年後へと飛んだ。あの頃も狐妖に出くわしたことがある。その狐妖は殷佳怡の夫を始末し、その後は若い未亡人の曲柔の夫を、さらには新義安の亀頭親分の息子である項先生にまで手を出した……多くの命を奪っておきながら、ずっと法の網をかいくぐり続けていた。国家の秘...