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1769話

「しかし、もう手遅れだった。憲兵は朝早くからこんな辺鄙な場所までやって来たのは連行するためであって、食事をする気など毛頭なかった。軍隊のやり方は常に迅速果断なものだ。そのため、彼らの監視の下、肖冲と何文は大人しく両手を差し出して手錠をかけられた。しかも彼らは『重罪容疑者』として、憲兵隊が犯人護送用に特別に作った車両に隔離収容され、外には実弾を装填した銃を持った警備兵が何人も立っていた。もし犯人が不穏な動きを見せれば、彼らには即座に射殺する権限さえあるのだ!」

護送車が軍営を離れるのを見て、何文はようやく小さくため息をついた。しかしすぐに何かを思い出したかのように、顔色が真っ青になっていった。...