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1150話

しかし、一大爆発がすべてを台無しにしてしまった。彼らが苦労して得た古易の信頼も崩れ去り、最終的にアメリカ人は宇宙技術のほんの一部しか手に入れられず、古涵たちがロシアへ逃げるのを指をくわえて見送ることになった……

だがロシアも決して安住の地ではなかった。世界中を恐る恐る転々とした末、古涵姉弟はこの場所に身を隠した。しかし彼らは故郷に帰りたいという願望を諦めてはいなかった。宇宙船の建造といった大規模プロジェクトは、国家の力なしには実現不可能だということも痛いほど理解していた。必要な人的・物的資源があまりにも膨大すぎるのだ。他のことは置いておいても、宇宙空間へのワープに必要なエネルギーだけでも、国...