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1044話

新たに就任した首相が最初に行ったことは、アメリカとの関係修復だった。彼は迷うことなく伊藤家を差し出し、アメリカ側の怒りを鎮めようとした……どのような理由があろうとも、伊藤家の忍者たちが領事館を血の海にしたという事実は揺るぎないものだったからだ。

結局、伊藤家当主の伊藤大翔はひそかにアメリカへ護送され裁判にかけられ、家の重要ポストにいた者たちもほぼ一網打尽となった。伊藤家全体が風前の灯火のような状態に陥り、もし家の底力がまだ残っていなかったら、もし他の忍者の名家が手を差し伸べてくれなかったら、伊藤家は今回本当に崩壊していたかもしれない。

だが伊藤千夏は家がどうなろうと関心がなかった。実際、彼...